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10月の誕生石「トルマリン」 ─ 静かな虹を抱く宝石

10月の誕生石として知られるトルマリンは、宝石の中でもとりわけ多彩な色彩を宿す天然石です。ピンク、グリーン、ブルー、そしてひとつの結晶の中に幾色もの表情を秘めるバイカラー。けれど、この石の魅力は“色の数”ではなく、“色が揺らぐその瞬間”にあります。秋の風が静かに季節を運ぶころ、どこか内にこもるような深い煌めき。

トルマリンの色は、一言では語れません。ピンクの中に橙が滲み、グリーンの奥に青が潜む。同じ石なのに、角度を変えるたび違う色に見える──だからこそ、人はこの宝石に「魅力と安心」を覚えるのかもしれません。『どんな色であっても、間違いではない』その優しさをトルマリンはそっと教えてくれます。

科学が明かした、もう一つの顔 ─ 電気石。トルマリンは古く、“電気石”とも呼ばれていました。摩擦や温度によって静電気を帯び、灰を引き寄せる性質──圧電性・焦電性。宝石でありながら、自然科学の領域にも足を踏み入れた、稀有な存在です。目に見えない電気を内側に宿すその姿は、感情を閉じ込めたまま歩き続ける、私たち自身にどこか似ています。

宝石の色は、美しさだけを意味しません。心に寄り添うために、そこにあるというのにも相応しい宝石です。どの色も完璧ではない。だからこそ、完璧に近づこうとする人の手に寄り添うのでしょう。トルマリンは、何かを主張するためというより、黙って“見守る”サポート的な宝石です。誰かと比べない、誰かの色を真似しない。それぞれ違う色を持つ私たちに、そっとこう囁きます。

 「 揺らいでもいい。混ざってもいい。それでも、あなたはあなたのままで美しい 」

私たちは、トルマリンを“宝石”としてだけではなく、ひとつの呼吸や、まだ言葉にならない気持ちのかけらとして選びます。ピンクでも、緑でも、虹色でもいい。もし、少しでもこの宝石に興味を持てたら、トルマリンを装いのアクセントに取り入れてみて下さい。きっと、静かに語りかけてくれます。秋の深まりとともに、あなただけの色に出会えますように⭐︎ (N)

~ トルマリンの石言葉 ~
ピンク系・愛情、恋愛、美しさ
グリーン系・癒し、生命力、精神的な安定
ブルー系・知性、完成、集中力
ルベライト(赤)・思慮深さ、寛大、愛の歓喜
ブラウン系・安定、誠実、保護

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