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秋を待つ、二つの緑

先日、中国にルーツを持つ知人から、お茶を譲っていただきました。
中国茶を代表する緑茶のひとつ、龍井茶(ろんじんちゃ)。缶に入り、しっかりと密封された、とても高級感のある佇まいのお茶です。

ところが、譲っていただいた理由が少し変わっていて、
「飲んだ後、なんだかしょっぱく感じるんだけど、そんなことある?」とのこと。
これは飲んでみないことには、なんとも言えません。

そこで、中国茶をよく知る仲間との食事会に持参し、みんなで味わってみることに。
ベトナムのやきものの可愛らしいポットと茶杯を貸していただき、料理をいただく前に、少しおそるおそる味を検証。

すると――

とても美味しい龍井茶でした。
龍井茶らしい、豆を思わせるような香ばしさがふわりと広がり、味わいは優雅で、後味も爽やか。密封されていたこともあり、新鮮さをはっきりと感じました。

ほかの烏龍茶などを飲んでいると、ミネラル感が喉に残るときに、私自身も「少ししょっぱい」と感じることがあります。今回のお茶にはそうした塩味は感じなかったものの、舌に残る感触や爽やかさがやや強かったため、それを「しょっぱい」と感じたのではないか――。そんなふうに、みんなであれこれ分析してみました。

同じものを口にしていても、感じ方は人それぞれ。正解はなく、その人の経験で感じるものも変わってきます。改めて、感覚というものは不思議だなぁと思います。

そして、お茶の香りや味わい、舌触り、体の感覚に意識を集中させながらお茶と向き合う時間は、ちょっとした真剣勝負。それが美味しいお茶であれば、なおさらです。

来週から、また中国へお茶の旅に出ます。体調管理にも気をつけながら、しっかりと感覚を研ぎ澄ませて、お茶に向き合いたいと思います。美味しいお茶との出会いがあることを楽しみに。

お茶は種類によって、美味しくいただくためのお湯の温度や淹れ方も変わります。
「いただいたお茶があるけれど、種類がよく分からない」
「せっかくなら美味しく飲んでみたい」
そんなときは、どうぞお気軽にお尋ねください。

そして、今回の龍井茶の茶葉を眺めていると、その緑色にどこか見覚えが。
店内を見渡すと、よく似た色合いのイヤリングがありました。
クロムダイオプサイト。鮮やかさの中にも深みを感じる、こっくりとしたグリーンが魅力の宝石です。

float Earring Chrome Diopside/2003-007

この美しい緑色は、名前にもある「クロム」という成分によるもの。エメラルドの緑色にも関わる成分として知られ、クロムダイオプサイトにも印象的なグリーンをもたらします。
光を受けると、深い緑の中から瑞々しい輝きが現れ、落ち着いた色合いでありながら、どこか生き生きとした表情を見せてくれます。
これから少しずつ秋色へと移っていく装いにも、すっと馴染んでくれそうです。

お茶の緑と、宝石の緑。
同じ「緑」でも、それぞれに奥行きや表情があるところも、ふしぎと似ていますね。

(K)

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